第27回 元禄か化政か?わからんぞ!
では、江戸時代の文化の話をします。今日は、た~っくさんの人物が登場しますが、元禄文化の人なのか、化政文化の人なのか、ぜったいごちゃごちゃになると思います。それでも、とりあえず、この人は何をした人というのだけは覚えてください。ファイト!
元禄文化 前回に説明したように、5代将軍綱吉の頃の上方で栄えた文化です。主人公は、町人。大阪などの商人が、お金を持っていたから栄えた文化と思ってよいでしょう。代表的なものは、浮世草子、人形浄瑠璃、歌舞伎、俳諧、装飾画、浮世絵です。
浮世草子・・・「うきよぞうし」と読みます。小説のことです。有名な人は、井原西鶴で、「日本永代蔵」「世間胸算用」などを書きました。
人形浄瑠璃・・・人形劇です。台本作者の近松門左衛門を覚えてください。「曽根崎心中」「国姓爺合戦」などが代表作です。
歌舞伎・・・これは、わかりますね。秀吉の頃に「出雲阿国」が始めた「かぶき踊り」 が元になっています。「市川団十郎」という人は今もいますが、江戸時代からずっと受け継がれている役者の名前です。歌舞伎役者ってもてたらしいですよ。
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俳諧・・・こう書くとなんだかわかりにくいですが、「俳句」のことです。松尾芭蕉が元禄文化の頃の俳人です。(化政文化でもたくさんの俳人がでてきます)有名な句をひとつでもいいから、覚えましょう。「奥の細道」を書きました。(松尾芭蕉の句は、国語の教科書にも載っています)
装飾画・・・俵屋宗達という名前を聞いたことはありませんか? 「風神雷神図屏風」って、金色の地に、雷神と風神が描かれている絵を見たことは? 尾形光琳という人とともに、有名な屏風を描いています。
浮世絵・・・元禄文化では、菱川師宣の「見返り美人図」を覚えておいてください。教科書に載っていると思います。あとの人は、化政文化のほうです。
化政文化 文化・文政の時代に江戸で栄えた文化です。「寛政の改革」と「天保の改革」の間ですね。こちらも、主人公は町人です。しかし、活気に満ちた元禄文化とは違い、少し皮肉をきかせた文化でした。川柳・狂歌、読本・こっけい本、俳句、浮世絵、落語といったところが代表です。
川柳・狂歌・・・社会を皮肉ったり、風刺したりした5・7・5の短い詩を川柳、5・7・5・7・7の短歌を狂歌といいます。
読本・こっけい本・・・滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」、十返舎一九の「東海道中膝栗毛」などの小説ですね。こっけい本ではありませんが、鶴屋南北の「四谷怪談」なんていうのもこの頃の作品ですよ。知っています、お岩さん?
俳句・・・2人覚えましょう。与謝蕪村と小林一茶です。「与謝蕪村」は「菜の花や月は東に日は西に」「春の海終日(ひねもす)のたりのたりかな」といった句を作りました。「小林一茶」は「すずめの子そこのけそこのけおうまが通る」 「やせがえる負けるな一茶これにあり」なんて有名ですね。
浮世絵・・・この頃の浮世絵は、版画です。喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川(安藤)広重、東洲斎写楽といった人たちがでています。代表作で覚えて欲しいのは、「北斎」の「富嶽三十六景」と「広重」の「東海道五十三次」です。
落語・・・ここで落語をもってくるのは、珍しいかな? でも今も語り継がれている古典落語は、この時代に栄えたものなのです。化政文化の特徴「こっけい」を象徴するものですね。だから、江戸の様子を知りたければ「落語」なのです。
さあ、あとは、皆さんの腕次第ですよ。工夫して覚えてください。でも、「北斎が富嶽三十六景」なんてぶつぶつ言っていても、駄目ですよ。文化を覚えるときは、実物を見なくては・・・といっても、資料集ですけどね。せっかくだから、インターネットで調べるのもいいかも。前述の人たちの記念館って、結構あるものです。そして、そこがHPを作っていることが多いですから、そこで、まとめて見る手もありますね。「なんだ、これかぁ」というのも多々あったりして・・・
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